~症状改善のためのサプリとは~サプリメントの格差
先週の日経新聞記事に、2016年度のドラッグストアの売り上げが百貨店を超える見込み!とありました。
ドラッグストアでは、薬やサプリメントが手軽に買える時代になってきたこと、それだけ消費者の需要が高まっていることなども影響しているのではないでしょうか。
ただし、今まで診療を続けながら日々思うことは、特に手軽に買えるサプリメントが、果たしてどうなのか?ということです。
もちろん、それを飲むことによって、なんかいい感じがする、という方もおられると思います。健康維持のために、摂っておきたい・・・。そういう場合は悪くないかもしれません(ただし、特に葉酸については要注意 今後のブログにてまたいずれ・・)。
しかし、当院を受診されるような、自律神経失調、低血糖、副腎疲労、PMS,過敏性腸症候群、アレルギー(特に重度のアトピーの方が多い)、重度の慢性疲労など、様々な症状をお持ちの方にとって、いわゆるドラッグストアで手軽に買えるサプリを飲むことが、しっかりとした改善につながるのか否か?
その答えは後者の割合が多いのではないかと思います(そうでない場合もあると思いますが、メーカーにもよります。ここでは明記できませんのでご了承ください。)
当院では、初診時にサプリメントの摂取についても詳細をうかがっています。その中には、自己判断で購入されている方が多いですが、中にはお医者様からの処方で摂取されているという方もいらっしゃいます。
自己判断で市販のサプリを購入されている方に伺うと、「病院の検査で異常がないといわれたが、体調が良くないので」、「貧血気味なので鉄のサプリを飲んでいる」、「ダイエットにテレビで**がいいといっていたので何種類も試したが、うたわれている効果がでない」などと、様々です。
また病院で処方されたという場合、特に低血糖症の方が多いですが、残念ながら1-2年続けてきたけれど効果があまり感じられないなどという方も来院されます。
一口にサプリメントといっても、その効果と安全性を評価する際には様々な要素があり、結果的にそれによって私たちが摂取した時の効果には格段の差が出てしまいます。その主な視点として、
・原料の安全性
・添加物の種類と安全性
・製造方法・化学構造の違い
・組み合わせる成分の違い
・有効成分の量(濃度)
・製品の酸化・劣化の有無等
・体のどこに作用するか
そのほかには、実際に摂取する際の量やタイミング、個人差に応じた調節も必要になってきます。
一般の方が有害と認識していない物質が、腸内で炎症を悪化させる成分もあります。
また本来はあってはならないことですが、国際的にドクターからの信頼が高い海外メーカーの製品であっても、経営母体が変わると品質が低下する場合もあります。原価を抑えるために、安全性の落ちる減量を使い始める場合もあるのです。
当院では、そのような情報も現地を通じて常にアップデートし、効果性と安全性の高いサプリメントを提供できるよう努めています。
さらに、可能な限りの情報を集め、自分や身近の人の体を実験台に様々な製品を摂取しながら、診療で扱うべき製品を選択しています。
また、どんなに良いサプリメントであっても、その方の体の状態によって、開始する時期を間違えるとかえって逆効果になったり、思わしい効果が得られない原因ともなってしまいます。
昨今は、ネットでの情報も氾濫していて、誰かが**で良くなったという書き込みをみて、自分もそうなりたいと思い摂取を始めた・・・などという方も。
「何が」、本当に今の自分にとって必要なのか・・・?
それは、ネットには出ていないことが多いのです。
たかがサプリ。
大学病院にいたころは私もそう思っていました。
でも今は違います。
私たちは、長年の生活の中で体に思いがけない借金をしています。
そして、体は分子や元素で構成されているものでもありますから、
不足している、あるいは必要な成分をサプリメントによって補うことや、
サプリメントを活用できる体にしてあげること、そして最終的には体自体の治癒力が高まること、・・・
は大切なことなのではないかと思います。
自分の体だけでなく、多くの患者様が症状の改善でそれを私に教えてくれています。